小幡真一郎のつぶやき

皆さん、初めまして、小幡真一郎(ウィキペデア参照)と申します。
市川市に住んで20年近くなりますが、市川サッカー協会審判委員会にお世話になって3年目を迎えています。このホームページに「小幡のつぶやき」というコーナーをいただき、不定期にサッカー・審判に関わる話題を掲載させていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

サッカーの競技規則は、1~17条で構成されており、条文自体は、140ページと薄いです。VARの導入によって、競技規則は詳細になってきましたが、この条文で記載されてないことが試合では多く起こります。例えば、PKを行う際に自らボールに水をかける行為などです。「競技規則に書いていないから何をしてもよい」「ルールとして審判が決めてほしい」という声をよく耳にします。
皆様は、普段の生活で六法全書に照らし合わせて行動しておられますか?

サッカーでいう「コモンセンス」は、「常識」「良識」ではなく、競技の「精神」、競技規則の「精神」に基づいて解決することを求めていると考えます。では、その「精神」は何かというと、不可欠な要素である「フェア(公正・公平)」、さらに「選手の安全・安心、お互いが快適なプレーができる」ことです。この「精神」を理解して、試合で勝利することを目指して個々の選手やチームが全力でプレーします。審判が指示したり判定したりするのではなく、選手、ベンチ役員が相手チームをリスペクトし、サッカーの「精神」、競技規則の「精神」、「コモンセンス」に従って判断、行動したいたものです。

イングランドで競技規則が成文化された1863年(日本では新選組結成)頃に最も重要視されたのは、ジェントルマンシップ(紳士・淑女)の涵養※だと言えます。これはプレーだけではなく、日常の生活にも求められています。ドイツの古い諺の「サッカーは子供を大人にし、大人を紳士・淑女にする」は、今でも通用すると信じています。決して、野蛮な人たちが紳士・淑女を装ってプレーしていると言われないようにしたいです。
※涵養(かんよう):徳、知識、人格などをじっくり時間をかけて育てること

審判も試合中に起こるいろいろな行為を見つけ出して、罰則を適用するのではなく、この「精神」に基づき選手とコミュニケーションをとって、選手全員が快適にプレー出来る環境作りが求められていると思います。

「コモンセンス」に基づき、「美しいサッカー」を選手・ベンチ役員・審判員・観客と一緒に実現したいものです。

小幡真一郎のプロフィール

1952 年生まれ
元サッカー1級審判員・元国際主審
元JFA 1級インストラクター・元AFCアセッサー
J リーグ開幕戦(川崎VS横浜)担当
市川市審判委員会特別アドバイザー
ジャッジリプレイ出演